now rise – 佐藤優樹 (2025)

  • 佐藤優樹: 1st Album
  • Release Date: 2025.10.22

now rise
Album Review

【元モーニング娘。10期】佐藤優樹ソロ作「now rise」に転がる4つの原石

予想が難しかったまーちゃんソロの方向性

まーちゃんソロデビュー決定の一報を受けた時、一体どんな楽曲を提示してくるのか全く予想つかなくて。アイドル直球モノではないだろうし、派手に踊り狂う感じでもなさそうだし、まさかあそこの事務所大好物のフォーク系? でもアコギ抱えるまーちゃんとか案外イケる?・・・いやそれカントリー娘。だし、じゃどーすんの?・・・と堂々巡り。

だいぶ昔の話になるけど、なっちごっちんソロデビュー時はおおよその方向性は予想できたし、実際発表された音源も予想からそこまで逸脱したものではなかったでしょ(逸脱したのはどちらも3枚目のシングル)。近年の例だとりほりほのソロデビューもダンス系で来るのは予想に難しくなかったし、ホント、まーちゃんだけ「???」でしかなくて。

そんなわけなので艶かしさで攻めたソロデビュー作「Ding Dong」は「まーちゃんもヤルことヤルんだw」となかなか小っ恥ずかしくて鼻血出そうだったし、そして「優樹の歌聴いてなに顔真っ赤にしてんのオッサンイヒヒ〜w」とアタイを茶化してくるかのような爽やかな「ロマンティックなんてガラじゃない」との対比はもうお見事で。

とはいえ、既に発表済みのシングル2作(Additional Trackも含めた11曲)はどれも方向性は様々。それは今作も例外ではなく、新曲も含めてここには様々な一面を見せたまーちゃんが収められてる・・・と言えば聞こえはいいけど、アルバム全体を通じて何かしらの意図を表現するものではなく、出来上がった曲を片っ端から詰め込んでは「皆さんどんな優樹が好きか教えてくださ〜いイヒヒ〜w」とカタログを見せられてるかのよう。

4曲のまーちゃん自作曲は他とはまるっきり違う世界観

そんな様々な楽曲の中にひっそりとまーちゃん自作曲が4曲収録されてることはご存知? 作詞「優樻」作曲「rire」とクレジットされてる楽曲がそれで、うち1曲はインスト曲。つまり今作はまーちゃんのシンガーソングライターとしてのデビューでもあるんだけど、公式のリリースインフォでは自作曲の存在には一切触れられてないのよね。既にライブでは未発表の新曲として披露されていたみたいだけど余計な先入観を持たせない戦略なんだと思う。

で、これがまた他のどの曲ともまるっきり違う世界観なんだわ。

どれもがシンプルなアンサンブルによるバラード作品で歌詞は非常に内省的。ステージ上でのまーちゃんは時にどこか憑依的なパフォーマンスを見せてヲタの度肝を抜くことがあるけど、ここで聴けるのはそんな見せ方をも放棄したまっさらなまーちゃんの歌とそれを誘導する最低限の楽器の音だけで、うっかり聞き流してしまいそうなくらい線が細い。

鼻歌レベルの仮歌デモを作ってあとは大久保さんあたりに丸投げすれば立派なトラックに仕上げてくれそうなものを(昔のつんく♂のやり方w)、そのまっさらな歌声や、まーちゃん自身がトラックダウンやミキシングにまで携わったというサウンドが耳に馴染んでくると、今度は作家さんの曲の方に嘘クサさではなくとも何か違和感めいたものが芽生えてくる。

気のせいなの? それともこの違和感は何か今後のまーちゃんソロを示唆するものなの? 磨かれた十数個のパワーストーンの中に転がる4つの原石。ソロ活動に後ろ向きだったまーちゃんが重い腰を上げて立ち上がったその瞬間を言語化したのがタイトル「now rise」だそうで、もうしばらくは静かにまーちゃんを見守っていよう☆カナ。

「Error!」のラップパートでは突如ダーイシがしゃしゃり出てきます!


CD

  1. 花鳥風月 春夏秋冬
  2. Error!
  3. サウダージ
  4. Ding Dong
  5. Small Voice
  6. 愛のサバイバー
  7. プラスティック・ジェネレーション
  8. 右肩の蝶
  9. 嵐のナンバー
  10. サマーナイトタウン
  11. 夢に出てこないでよ
  12. Sorry!
  13. Alright
  14. グリーン・フラワー
  15. ロマンティックなんてガラじゃない
  16. とどめ
  17. TO BE CONTINUED!
  18. reverie