【全曲解説】16th ～That’s J-POP～ – モーニング娘。’21

モーニング娘。’21: 16th Album
Release Date: 2021.03.31
Oricon Weekly: #2 / Billboard Japan: #2
Performed by:

16th ～That’s J-POP～
Album Review

つんく♂「J-POP＝モーニング娘。やん！」←まんざらでもなかった件♡

昨年から制作中であるとずっとウワサだったモーニング娘。’21 (トゥー・ワン) の3年4ヶ月ぶりのオリジナル・アルバム、その名も「16th 〜That’t J-POP〜」がついに発売されたわ。2014年以降のオリジナル作は約3年に1作とずいぶん大物アーティスト感を漂わせていて、それは今作の少々大袈裟なタイトルからも感じるけど、大丈夫？無理してない？ｗ

このタイトルから真っ先に思い起こされるのは、J-POP界の女王様として君臨すべく2013年当時キャリア最盛期を迎えていた℃-uteが発表した名作「⑧ Queen of J-POP」だけど、そこへ今作の「J-POPと言えばアレ！アレしかないやん！」と言いたげなタイトルはJ-POP界の中心的存在 (センター) として君臨する気満々で℃-ute以上のエナジーだわ。ねえ、ほんと大丈夫？

全15曲のうち7曲が本邦初公開の新曲でそのどれもがつんく♂作。中止となってしまった昨年の’20春ツアー「MOMM (Music Of My Mindの略)」でお披露目予定だった楽曲もここには収録されており、お蔵入りを余儀なくされてしまった経緯もあるとはいえ、一気に大量放出された新曲群が降り注いでくる感じがまずは快感の一言よ♡ 前作「⑮ Thank you, too」ではほとんどがライブで先行披露されていたので全くの新曲はたった1曲だけだったでしょ。

作風は前作と大きく違うものではないけど、カッコいい系はよりカッコよく、カワイイ系はよりカワいく、アゲアゲ系はよりアゲアゲに、泣ける系はより泣けるという、前作以上に振り幅が増してる印象で、駄曲はおろか凡曲すらも見当たらない名曲良曲ばかりの事実に大袈裟なタイトルの心配はソッコーで一蹴されてしまったわ。最近のつんく♂は他のハロプロユニットにはほとんど曲を提供してないので良曲が集中しやすいのも要因なの☆カナ。

よって2nd「セカンドモーニング」、10th「⑩ MY ME」に続く神作認定と相成りました♡

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傑作
名作
神作

☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆ 傑作名作神作

初回生産限定盤は「無観客シークレットライブ」を収録したBlu-ray付き

初回生産限定盤には、無観客シークレットライブとその中の数曲のアナザーバージョン映像と、横やんと朱音ちんがインタビュアーとなり全メンバーへアルバムについて訊いた個別インタビューを収録したトータル約107分のBlu-ray付き。横やんの妹力がもう可愛すぎ♡

ライブはほぼ1年ぶりくらいじゃないかしら？全員揃ってのパフォーマンスがこんなに貴重な瞬間になるなんて。中止となった’20春ツアーをそのままやってほしかったけど、さすがに久しぶりのライブとなれば身体も鈍ってるだろうしキツいかしらね。今作収録のシングル曲7曲と、ライブで既に披露済みの「Hey! Unfair Baby」と、本邦初披露の新曲「恋愛Destiny 〜本音を論じたい〜」の全9曲が収められてるわ。撮影会場は新宿ReNYっぽい。

シークレットライブのほまたんのヘアバンド姿がめちゃカワなの♡

16th ～That’s J-POP～
Track By Track

アルバム収録曲をチェックしていきまっしょい！15期メンバーご贔屓なのは勘弁してね♡

① 愛してナンが悪い！？
作詞：つんく♂　作曲：つんく♂　編曲：江上浩太郎

イントロの電子音と囁くように歌われる冒頭パートの時点で「ほらね！」みたいな、続くラップパートで「ほらキタ！」みたいな、コロナ禍に沈むヲタを鼓舞するようなメッセージを乗せたサビへ突入しようものなら「コレよコレ♡」みたいな、OP曲でスベったことなんてこれまで一度もなかったが故の、つんく♂への期待というよりは信頼がより強固なものへとハッテンしていく至高のエレクトロニック・ダンス・モーニング娘。(=EDMM。)よ！！！

シングル曲に求められるある種の分かりやすさをそこまで意識せず「オレがやりたいようにやったらこうなんねん！」的な自由なつんく♂とそれを具現化するアレンジャーの連携プレーが眩しすぎて、現体制のエナジーもビリビリ伝わってきて、伝統的なラップも相まって、つまるところ非常にモーニング娘。らしくてもう初っ端から潮吹きが止まんねぇ〜わｗ

メンバー全員にソロパートがありそうな構成だけど、如何せん聞き取り難易度がめちゃ高い。1番ラストはりお、2番ラストはほま、ラスサビラストはめいは確定。近未来のモーニング娘。の希望の三つ星である15期メンバーをここで改めて紹介って感じなのが嬉しい♡

アルバムのOP曲はシングル曲の場合が多く、全くの未聴の楽曲がOPってのはかなり久しぶりで12thのOP曲「Give me 愛」以来・・・と思ったけどコレは先にライブで披露していたので厳密には未聴ではないから、さらに遡って10thの「Moonlight night 〜月夜の晩だよ〜」以来のこと。どうりで再生ボタンを押すドキドキ感が今回ハンパなかったわけだわ。

② ギューされたいだけなのに
作詞：つんく♂　作曲：つんく♂　編曲：大久保薫

コチラも伝統と最新がクロスオーバーする最新シングル曲。初期の楽曲より続く｢女子の孤独｣を描いた世界観と現代的な音像はどこを切っても紛れもなくモーニング娘。よ！

Article >>> 純情エビデンス / ギューされたいだけなのに

③ 信じるしか!
Performed by 生田衣梨奈・石田亜佑美・小田さくら・加賀楓・森戸知沙希・岡村ほまれ
作詞：つんく♂　作曲：つんく♂　編曲：大久保薫

モーニング娘。の中でも比較的常識人が集まってるイメージのユニット楽曲1/3。

初回生産限定盤Blu-rayのインタビューではイクタやダーイシがこの曲はダンスナンバーだと言ってて、でもそのわりにはおしとやかでどことなく東洋的。着物を纏い夜桜を見上げながら何か決断してるような、言うなれば現代に蘇った「モーニング娘。さくら組」のイメージが浮かんでくるの。ぜひ着物姿でバッキバキに踊ってちょうだい (踊りづらいでしょうけどｗ)。さくらだけにオダとか、加賀温泉の広告のような着物姿のカエデとかどハマりしそう。

ユニット曲だけあって普段ソロパートを頂けないメンバーもここでは頂けてるけど森戸ちーのソロとか久しぶりに聞いた気がするわ。センターを務めた「青春Night」以来じゃない？ほまたん的には自分には絶対カワイイ系楽曲が来ると思いきやカッコイイ系だったのが意外だったらしく (ていうか残念そうｗ)、でも実はこのユニットが3組中いちばんカワイくて、後述するカワイイ系ユニットは実は恐ろしいってことをほまたんに教えてあげたい。

ほまたんが「信じるしか!」のカワイさに気付くのはもうちょっと先☆カナ

④ TIME IS MONEY!
Performed by 佐藤優樹・野中美希・横山玲奈・山﨑愛生
作詞：つんく♂　作曲：つんく♂　編曲：江上浩太郎

モーニング娘。の中でもいろいろとキッツい子が集まってるイメージのユニット楽曲2/3。

コロナ禍真っ只中の昨年の夏に書かれた楽曲だそうで、その頃といえば世界中のあらゆるライブやイベントが軒並み中止へと追い込まれていった時期だし、焦りや憤りの中で急かすような緊迫したムードが歌詞やメロディ、メンバーの歌唱からも感じ取れるわね。

どうせまーと愉快な仲間たち状態でしょ？と思いきや決してそんなことはなくパート割はほぼ均等で、Bメロ頭の印象が強いのかむしろ横やんとめいの2人が強調されてるイメージ。英語のソロパート「♪Because I Love You Crazy Baby」が全員に1箇所ないし2箇所あるんだけど、チェル子のとこ一瞬だけJ-POPではなく洋楽だわｗ (もしくはココナッツ娘。)

「♪ウザいのに」とちょっぴりご機嫌ナナメなめいにドキッ♡

⑤ 泣き虫 My Dream
作詞：つんく♂　作曲：つんく♂　編曲：平田祥一郎

どのアルバムにも1曲はありそうなバラード系の、それも感動押し売り系の、その最高峰とも言えそうな超名曲を頂戴♡ つんく♂によれば制作の最終段階に「何か足りない」と最後に書かれて収録されたとのことだけど、こんなにも心を討たれ、泣けて、でも胸が高鳴るこの美しいドリーミン・ポップが収録されなかったとなれば今作を神作認定しなかったはずよ！

この曲にもメンバー全員にソロパートがあり、緩やかな曲調だから各々の声も聞き取りやすいわ。美しさに聞き惚れてしまうと同時に全員のソロを当てたろと聞き耳を立ててしまうの。モーニング娘。の新曲を初めて聞くときの楽しみの一つに「ソロパート聞き取りクイズ」があるけど、シングル曲だとYou Tubeに映像ごとアップされて正解がすぐ分かっちゃうから、こういった映像なしのアルバム曲だとクイズにめっちゃ燃えるのよね！

1番サビめい・2番サビほまにキュン死♡する一方で、なんでかしらね、ダーイシになると笑っちゃうｗ・・・というわけで、ソロパート聞き取りの解答をここに記載。正解はライブ映像などが出るまで分からないけどわりと自信あるわコレ！(ハズレたら笑ってやってねｗ)

１Ａ　佐藤 → 譜久村
１Ａ　羽賀 → 森戸 → 小田 → 横山 → ユニ
１Ｂ　北川 → 加賀 → ユニ → ユニ
１Ｃ　ユニ → ユニ → 山﨑 → ユニ → ユニ → ユニ → ユニ → 北川 → ユニ → 譜久村
２Ａ　野中 → 生田 → 牧野 → 石田 → ユニ
２Ｂ　山﨑 → 横山 → ユニ → ユニ
２Ｃ　ユニ → ユニ → 岡村 → ユニ → ユニ → ユニ → ユニ → 佐藤 → ユニ → 小田

間奏以降は全部ユニゾンパートなので割愛。

ほまたん「♪驚きもあるから〜」のザ・アイドルなソロパートにキュンです♡

⑥ 二人はアベコベ
Performed by 譜久村聖・牧野真莉愛・羽賀朱音・北川莉央
作詞：つんく♂　作曲：つんく♂　編曲：江上浩太郎

ユニット楽曲3/3はモーニング娘。の中でもふんわり系女子・・・なのは見せかけで、のし上がるためなら手段を選ばない計算高くあざとい系女子が集結。仲良くつるんでるようで実は一触即発寸前の恐ろしい内紛必至ユニットよ！今作の集合写真や通常盤ジャケでは参加メンバー4人中3人が見事に前列中央を陣取ってることからも分かりやすいｗ　コイツとコイツは言わずもがなだけど、コイツもなかなか感が鋭そうでその手腕には上記先輩もピリピリしてるはず。緩衝材のごとく存在する朱音ちんのおかげでギリ荒波立たずに済んでそう。

あざかわメンバーが3TOPを陣取ったモーニング娘。’21

「いろいろ好みは違うけど一緒にいるとなぜだか楽しいの〜♡」という女子を描いたモータウン調の、今作で唯一と言ってもいいくらいのカワイイ系の楽曲でバイオリンの音色がとても心地よいわ。でも歌詞の「タイプじゃないけど付き合った」みたいな描写は甚だ疑問。あざといアンタらのことだし「オトコを顔で選ばないアタクシ、♪カワイイでしょ?♡」アピールなはず。顔だけで選んだくせにｗでもその姿勢、アイドルとしては正解よね！

15期の頼もしいあざかわ特攻隊長「おんちゃん大佐」についていくしか♡

⑦ 純情エビデンス
作詞：つんく♂　作曲：つんく♂　編曲：平田祥一郎

特にコロナ禍とは関係なさそうな世界観とはいえ、歌詞の｢♪NEXT DOOR｣からはコロナ後(もしくは共存)の未来へ向けて疾走し始めたモーニング娘。の姿も浮かぶ最新シングル曲。

Article >>> 純情エビデンス / ギューされたいだけなのに

⑧ このまま
作詞：つんく♂　作曲：つんく♂　編曲：平田祥一郎

どのアルバムにも1曲はありそうなロックベースのライブ向けアゲアゲ曲！・・・と思ったけど、ここまでアゲアゲな感じってだいぶ久しぶりかも〜。13th収録「ドッカ〜ンカプリッチオ」以来な気がする。それ以前だとわりとよくあるタイプの楽曲だったけど。

でも「♪君が！君が！君が！」「♪いれば！いれば！いれば！」「♪何も！何も！何も！」「♪いらない私！」といった、主旋の隙間に追っかけパートを3連打で詰め込むアイデアは以前にはなかったところでめちゃノレるわ！この3連打がなかったら凡曲で終わってたはずだしつんく♂もそれを見越した上で一捻り加えたんでしょうし、手を抜かない彼に感服よ。

今作リリース直前の「Hello! Project ひなフェス2021」4公演で初披露。アタシも「モーニング娘。’21プレミアム」を現場で見てたけど、こんなに楽しい楽曲なのに椅子に座って静かにキンブレ振るだけってのがもうキツくてキツくて、タイトルは「このまま」だけど「このままじゃヤダ」みたいな、コロナ禍下ではその真価を発揮できないのがもどかしいわ。

⑨ KOKORO&KARADA
作詞：つんく♂　作曲：つんく♂　編曲：大久保薫

’19秋ツアーのタイトル曲にして、モーニング娘。の20数年にも渡る長い歴史の中で｢最も美しい楽曲｣として燦然と輝く大傑作シングル曲。フリー素材なんて知りませんｗ

Article >>> KOKORO&KARADA / LOVEぺディア / 人間関係No way way

⑩ 人生Blues
作詞：つんく♂　作曲：つんく♂　編曲：大久保薫

近年はカッコよくキメてるモーニング娘。ばかりだけど、その中でも｢ダサい｣要素が比較的強めな15期加入直前のシングル曲。ダサさ加減てハロプロには非常に重要な要素よね♡

Article >>> 人生Blues / 青春Night

⑪ Hey! Unfair Baby
作詞：つんく♂　作曲：つんく♂　編曲：鈴木俊介

’19秋ツアー｢KOKORO&KARADA｣初日から披露され、｢ハロ！ステ｣でもRec音源が公開済みの現体制最初期から存在する楽曲がようやくCD化。5・6期が在籍していた2000年代中盤頃のモーニング娘。の賑やかさがふと脳裏をよぎるロックテイストで、サビからポップに弾ける構成がもう爽快♡ 当時はもとよりそれ以前からも数多くのロック系楽曲を手掛けてこられた最古参アレンジャーによる、かつてのハロプロど真ん中「あの頃。」サウンドに感涙ToT

｢Unfairがまかり通る世の中でブツブツ文句言ってる君だってUnfairちゃうん？｣的なつんく♂の｢愛の説教｣が少々耳に痛いながらも、アイドルに｢ケツ拭く｣とか歌わせちゃう彼のイタズラ(?)にニヤけつつ、1番めい・2番ほまによるセリフパートには心の隅をツンツン突っつかれてなんだかソワソワし始める・・・というナンダカンダで素敵なアゲまんソング☆

「変わらなきゃ!」・・・いいえ、ほまたん推しは変わりません♡

⑫ 恋愛Destiny ～本音を論じたい～
作詞：つんく♂　作曲：つんく♂　編曲：大久保薫

今作リリースのお知らせ動画でも流れていたし、初回生産限定盤Blu-rayのシークレットライブ映像にも収録されていることからリードトラックとも言えそうな、｢恋愛レボリューション21｣→｢なんちゃって恋愛｣→｢恋愛ハンター｣に続くモーニング娘。の伝統の(?)恋愛シリーズ曲で、｢Hey! Unfair Baby｣同様のロック的なノリだけどこちらはより現体制らしい雰囲気。ダーイシによれば昨年の’20春ツアー｢MOMM」で初披露する予定だったらしいわ。

イイネ！をもらうために盛りに盛られたネタをSNSに日夜連投し続けてる女子がふと虚しさや苛立ちを感じて途方に暮れてるような、そんな情景が浮かんでくるわ。いくつイイネ！をもらえばアタシの心の穴は満たされるの？みたいな。「♪愛を積んでも愛はその場に留まらない」なら、自分の心に穴が開いてれば積まれた愛も留まらない、どうすればその穴を埋められるのかを本音で論じたい・・・そんな解釈でよろしいのかしら、寺田先輩。

大抵の場合こういったアルバムのハイライトとなり得る楽曲は前半に配するもんだけど、後半のそのまた後半にまで引っ張るあたりつんく♂の自信が伺えるし、今作が名曲良曲ばかりであるという何よりの証拠よね。史上初のリリックビデオも制作されたわ！

今作における15期の最推されメンはめい！恐るべしパンダさんパワー🐼🐼🐼